目盛の隙間から立ち上る青い炎/hahen
 

樹上から葉脈だけが
長く垂れて、
神経回路を伝達する
信号みたいな
陽光の、ひと滴が
瞬く
青が広がる
ぼくたちの瞬きも
青くなるから、
この場所はきっと少しだけ、
世界の中心からずれてゆく

膨大な熱量に曲げられた
プラスティックの三角定規
それを手折る前に
たった一度だけの瞬きを、
あなたに乞う
二度とぼくたちは世界を
測量できないだろう
熱量が、ぼくたちにまで
降り注ぐのを、じっと
待つしかないだろう
災厄は避けられないから、
あなたには目を
閉じていてほしい
定規を手にするあなたに、
ぼくは真っ直ぐな青空を
運んで来たい、
歪曲し
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