はいはい。/千波 一也
 

つめたい風が
頬に突きささるように
真っすぐで

それは
あまりに
迷いのない有り様で
わたしには逆らう手立てがない



気まぐれ風味に
夜空をみあげれば
きら星が澄みわたっていて

気まぐれ風味に
わたしに呼びかける

そんな気がする



無理、というほどの無理なはたらきは
していないわたしだから

もう少し傷んだほうが
良いのかもしれない

ただただ黙って

こころの内では
舌打ちしたりなんかして
言い訳を繰り返したりして



逃げ場なんて
いくらでもあるから

どこにも無いのと同じこと

苦しまぎれの
ふたつ返事に笑みを忍ばせて

もう
開かれるしかない








戻る   Point(2)