エーテル 15/草野春心
 


  円い影を銜えて その犬は闇へ紛れた
  ときに思いもよらないところから降ってくる、雨……
  厳めしいマンホールがあなたの靴を覚えている
  わたしだけだったのかもしれない いつも 話をしていたのは  
  あなたから産まれた両唇鼻音(りょうしんびおん)を ひとつずつ 砧骨(きぬたこつ)に受け留めながら
  


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