殺しに至る感情のライン (Circle)/ホロウ・シカエルボク
牙を剥いた真夜中が俺の脳髄に噛みついて、裂傷のような夢ばかりが繰り返される、血を吐き、枕にしがみつき、気がふれる一歩手前、予感と結果が刺し合い、あらゆる思考が血まみれ、血まみれ、血まみれの寝床だ、現実が失禁し、夜明けが幽閉され、永遠にも思える深夜、深夜―そう、深い夜だ、のた打ち回る概念、瀕死は慎重に、手遅れの寸前で身を翻し、生きたままの死のレベル、垂れ流される赤い血のレベル、それを振り払う叫びのような風を心は求めていたが…慟哭の深遠はいつだって遠いのだ、果てしない距離があり…その距離の中を果たせなかった言語の死体が埋め尽くしている、彼らはもう腐ることさえ諦めている、生身から遠ければ遠い
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