エーテル 14/草野春心
 


  賽子(さいころ)が胡座をかいている
  褥(しとね)は素っ気なく冷えている
  彼女の頬には、涙の痕がある
  それがいつどのように流されたのか、
  彼はしりたかった 苦しいほどに
  さびしさにふれた 躯は 温かかった いつでも
  鏡のなかだけを 象が通りすぎていった


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