無題/若林
詩が好きです。特に現代詩が。自分で書くこともありますが、もっぱら読む側です。もっとも、読むようになったのは高校生になってからです。
図書館が好きでしたし、本も好きでした。周囲があまり読まない本を読む自分を、少しばかり格好いいと思っていたのもありました。けれど、小学校にあった、金子みすゞや中原中也はあまり心打たれることなく、むしろ遠い異国の言葉のようにさえ感じていました。恐らく言葉遣いやリズムといった、その時代の空気を受け入れられなかったのでしょう。高校生になって初めて知った現代詩は、驚くほどすんなり入ってきましたから。
多くの人が、昔がいかに素晴らしかったかを語ります。図書館を見ても、古い詩集
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