あなたの手/藤鈴呼
 



あなたは ちょっと 
恥ずかしそうに 笑う

ピアノ弾きみたいに 
細く 長くも ないし

手荒れも 酷くって 
もう ガサガサなの

スネはね 昔っから 
ストッキングを 履き過ぎて

ジグソーパズルみたいに 
ギザギザだし

最近は ストレスが 
溜まって居るからか

眉間の皺が 
消えないんだわ

私は 笑う

やわらかな うつくしい 
あなたの心を もってして

こんな風に あたたかな 
空気を まとう手の

何が 醜いのか

皸(アカギレ)は
冬の 寒い朝
懸命に 水仕事をした 証

豊齢線は
楽しさを 著した
頬の 表情

脳だったって
刻みが 増えれば それ程に
賢く なるのです

時計の針は
何時 何分 何秒を
差して いますか

わたしたちの 
活きる 瞬間を

幾つも 幾つも 
照らしては

何度だって
くるくる くるる

回り続けるのです
描き続けるのですから

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