あねもね/Six
 
 あねもねの花を持って
 歩く、わたし

 1月の風がごうごういって
 わたしの身体を強ばらせる
 こんな日に
 アスファルトの上で転んだりすると
 とても痛い
 ここを
 早足で通り過ぎるか
 ゆうくりと慎重に
 一歩ずつ踏み出すか
 雪雲は分厚く灰色で
 お習字の鞄を提げて
 駆け出したときに
 足首をひねった
 チビの頃の
 足の指先の感覚が
 今もある

 そうやって1月は
 たいてい昼間でもしかめつら

 まる1日かけて
 息を
 吸って、吐くように
 花弁を
 開いて、そして閉じる
 あねもねは
 お部屋の蛍光灯の下で
 今だ
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