「溺死」/
夜月 こころ
走りだしたいのに動けない
叫びたいのに声が出ない
私の心は 殻に包まれて
奥へ奥へ遠のいていく
トンネルの闇に戸惑って
歩けずにいる子供みたいに
私の心は 水の中
息が出来ないまま 空に浮かぶ泡
溺れて意識が無くなって
曖昧になる記憶
まだ私は動けない
貴方という存在が
私を動けなくしている
羽根の折れた蝶は
もう空を飛べない
もう空を飛べない
戻る
編
削
Point
(1)