「溺死」/夜月 こころ
 


走りだしたいのに動けない

叫びたいのに声が出ない

私の心は 殻に包まれて

奥へ奥へ遠のいていく

トンネルの闇に戸惑って

歩けずにいる子供みたいに

私の心は 水の中

息が出来ないまま 空に浮かぶ泡

溺れて意識が無くなって

曖昧になる記憶

まだ私は動けない

貴方という存在が

私を動けなくしている

羽根の折れた蝶は

もう空を飛べない

もう空を飛べない

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