再起しそして回帰する/煙と工場
昼に目覚め
夕を知らずして
去る小鳥は
惨めであろうか
否 そうではない
というのは
小鳥は
夕日によって
目を焼くことは
なかったのだから
(夕日が真赤に染める
のではない
貴方の目が真赤に
染まっていくだけだ)
あわれなのは
目を焼かれて
足をふらつかせている
浮浪者の姿なのだ
私は同じ列に並び
同じく動きが
ぎこちない
古代の賢者曰く
朝に真理を知れば
夕に死んでも悔いは無い
そうだが
これは正確ではない
むしろ朝に真理をしらずとも
夕に我らは殺される
殺されなかったものは
その前に死んでいた
ただそれ
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