樹下にて/ヒヤシンス
冬枯れの樹の下でなぜ孤独を感じる必要があるのだろう。
そんなことを自分に問うた事のある人が一体いくら在るのだろう。
自分に課した約束を反故にした人は一体幾人いるのだろう。
犯した罪の償いに一体僕は何が出来るのだろう。
大事なことを見失う悲しみに再び夜はやって来るのだろうか。
私の理想にあなたの現実が重なり合うことはあるのだろうか。
あなたとの邂逅がもしもあらかじめ用意されていたとしたら・・・。
冷静を装っていた僕の着衣が一枚一枚剥ぎ取られていくようだ。
祭壇に掲げられた裸の僕を憐れみの目で見るのはやめてくれ。
価値のない生贄など何の役にも立ちはしない。
[次のページ]
戻る 編 削 Point(7)