I don't mind ghost/opus
 
砂嵐が吹く
視界は閉ざされている
テントをはり
過ぎ去るのをじっと待つ

轟々と
音が響き渡る
その隙間から
遠吠えのようなもの
悲鳴のようなもの
雷鳴
雨音
地が軋む音
懐かしいような
今まで聞いた事のないような
たくさんの音

グッと瞼を閉じる
いつの日かあの日の
出来事が目に浮かぶ

あの子が裸足で走っている
白いワンピースがひらひらとなびく
立ち止まりこちらを振り向くが
ゆらゆらと視界がぼやけ
その顔は見えない

やあ。

扉が開かれる
暗闇に光が差し込む
砂嵐は止んでいる

こんにちは。

こんにちは。

久々の人だ。
嬉しい。

あぁ、僕もだ。
珈琲を入れるから、
どうだい。
少し、話でも。




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