午後2時の太陽/葉月桜子
ぽつん ぽつんと空から降りてきた 冷えたつぶは
壊れそうな私の身体に ぺたっと張り付く
いつかスキー場で見たサラサラした雪ではなく
もっと水分を含んだべったりしたその物体は
私の冷えきった身体に張り付き
更に追い打ちをかけて 体温を奪う
あの時見た 光はもう見ることはなく
あの時見た 真っ青な海も もう見ることはなく
私たちを照らした 午後2時のあの島の太陽は
どこかへ行ってしまったのだろう
支えてあげたかった
一緒にいることで笑顔になれるのなら
一緒にただいれば良いと思っていた
だけど本当は
頼りたかった
話を聞いてほしかった
心配して
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