こころの種/梅昆布茶
光の子供たちが浮遊する緑野に
きっとこころの種もあるのでしょう
跳ねてはしゃいだり転げたり
悪さをして群れている子供たちに混じって
金色の繊毛におおわれてふわりと浮かんでいたり
葉に結ぶ朝露のように草むらにかくれていたり
はかなくも力強く輝いてみえる種もあり
時々銀の鈴のように風に鳴ったり
雲のように流れたりもするのでしょう
その中には邪悪の影を纏って誘惑者のように
つとあしもとに忍び寄る種もあろうかと
それらの種はそれぞれのこころに蓄積され
降り積もってゆくのでしょう
まるで雪のように
そして
それぞれの時間を経て芽吹き
今この瞬間に開花するも
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