費やした時間の重さ/ベンジャミン
 
3DKの家から
1トン車1杯分のゴミを運び出した

できるだけ静かに運ぼうとしたのに
荷台の上で何かが崩れ落ちる音がする

7年前の秋
そこで始まった生活が思い出せない
ゴミ袋に放り込まれたいろいろが
声も出せずに怯えているのを見て
おまえらのせいではないと思った

運んでも運んでも
抱え込んだ年月があふれてくる
何度も倒れそうになり
そのたびに左手を見つめた
2階の寝室には
布団にくるまったまま
息を殺している人がいる

自分にはもう
優しさなどないと思った
数日前まで入院していた体以上に
すりへった薄い感情
ペットボトルで透かしたような景色も

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