愛を試そう。/愛心
彼女は一定の周期で死にたがる。
もともと、際立って明るい訳でもないが、その時は特に著しい。
長い髪を垂らして顔を隠し、カーテンを閉め切り、人との接触や、彼女が好んで集めた可愛らしい物ですら拒む。
「触れたり、関わってしまうと壊れるから」なんて、訳のわからない恐怖を抱いているらしい。
それは僕に対しても同じで。
いつもは甘く、優しい彼女がその時ばかりは
、まるで人形にでも取り憑かれたように無表情で、言葉を発することもなく、涙で濡れた赤い目で睨むように僕を見る。
最初の頃、じっと見つめ返した際、彼女が果物ナイフで手首を切り落とそうとしたから、それ以来、この時期の彼女には目
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