古いかけら/
藤原絵理子
追いかけた夢のかけらが
透明なみどりのガラス瓶のなかで
体を揺らせるたびに
きりんこりんと泣く
泣き声を聞きたくなくて
じっと身をひそめる
あかるい場所から目をそらせる
みじめな思いに 逃げ出したくなる
自分で選んで捨て去ったつもりだった
あたしはこっちを選んだんだ
ただならぬ運命の気配
日々の希薄な大気から凝縮した
コンペイトウに似た透明な結晶
もう泣かないで お願いだから
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