書く動力 4/Dr.Jaco
苦しめば書き損ないも功績だと言わんがばかりに出してみた。残念っ。そんな保証は
無い。追って3つの関係は更に書き換えられていく。
シーツにできた日陰と日向の境目に潜む「言葉さん」は、10才を超え、やがて少し
ずつ文章を書くようになった私ばかりを饒舌にさせていった。「私を愛しているなら
それが側を通りがかっているオヤジにも分かるようにきちんと愛してね」と言うのだ。
踊らされているうちに、「言葉さん」の無理な要求を自分の中で勝手にエスカレート
させていく、という恋愛マンガの定石に陥りながら、私はキレた。相手が人間なら、
惚れた相手を包丁持って追い回すようなもの。「憎しみ」の他愛も無い根源。
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