儀礼/瀬崎 虎彦
 
夜はため息の連続
線路を冷たくぬらす朝の
鎖骨の硬さにも似た
確かな孤独をなぞり

なにもない虚空の中心で
太陽はのびやかに残酷に
眼を手を声を営みを
射るように記憶していく

朽ちた駅舎の残骸のなかに
少女たちが眠るのを見たものは
ひとりとしていないはず

さもなくば白々しい季節の
ひとつぶひとつぶの断片に
鼓膜が驚くことはあるまいに
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