夜と冬/
木立 悟
郭を乱している
祈りに応えて
月は十になり
八は落ちて子供になり
ただ地の水を見つめつづける
しっかりと小さく
からくりは動いている
花の影の暗がりで
捨てられた神を拾った日
今を 今を と
指先は鳴く
使われることのない暦の裏に
降るものも こぼれるものも
しとしとと
しとしとと刻まれてゆく
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