ぱたぱた/梅昆布茶
 
ことしもあたらしいかなしみがやってくる
それでいいのだと思う

ことしも友が去ってゆく
それはしょうがないこと

遠慮なく時は過ぎひともかわる
すべてをうけいれてはいられない

僕の小さな器はすぐに飽和してしまうのだから
この哀しみをやりすごしてしまおう
憎しみなんてさらさらなくしちまおう

なにも残らなくってもいいんだ
それが本来ならば

あるように見せかけるよりは
正直に曝してしまおうか

あたらしいテキストファイルは
どのくらいの温度にあたためようか

活字が分解しない程度に組み上げるには
たいした熟練はいらないさ

そう思い出という小さな羽根が
ぱたぱたしているんだもの

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