ダンサー/いねむり猫
 
紋と 
短命な生き物の匂いを
ダンスに加えて

再び
樹海へ放つ


私たちは なぜ 
なぜ



そのような問いが 年老いた巨木の樹皮に
吸い込まれていくように

朝露が ハスの葉を転がりながら
大きな水滴となって走るように

樹海の中に 埋もれていく迷い人のように

あるいは 若々しい初夏の葉の上を 
飢えに導かれて むさぼる青虫のように

生は ただ 
内包された意味と計画に
突き動かされながら

大気と大地の荒々しいダンスの狭間で
一瞬の瞬きとして 輝くだけなのだから

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