怪我に似たもの/
ap
二の腕の柔らかい部分を少し、
千切るようなさようなら。
そんなに困らないし、忘れることも増えるだろうと
言われるし そう思っても
あってもなくても良いものは
それが失われた瞬間、もっとも輝く。
かさぶたが治ってしまえば、
時折思い出すだけのあの箱の中のものとなるのでしょう。
美談でまとめようとするほどに、
返り討ちに遭うような気持ちになる。
憎さがもはや、
魅力にみえる。
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