身辺雑記より(十)/たもつ
君の一部であり
僕らの世界はそのように成り立っている
幾千のセミの声が鳴り響く境内
僕らは思い出や思い出に似たものについて語り合った
誰かによって拾われた定期券は失効していたそうだが
僕はそのことについて何の確認もすることはなかった
やがてすべてのことを話し終えると
手を繋いだ僕らは石段の一つ一つを丁寧に降りて
振り返ることも無く
そのままどこかに行ってしまった
(参照)
http://po-m.com/forum/i_doc.php?did=27078
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