マウンドにて/
まーつん
消えたのだから
客席に立つ少年の
手元から滑り落ちたドリンクが
足元に飛び散った、その瞬間
野球場だった場所は
野っ原に還り、人々は皆
そこになびく芝草になった
俺の魂は
風に運ばれた
一本の緑となり
彼らのどよめきを
見下ろしていた
他人事のように
(2013.12.28)
戻る
編
削
Point
(19)