雪/葉leaf
 


年末の休暇で一人部屋で読書をしていると、あっという間に雪に降り込められていた。雪は私の窓から見える都会の一断面を静かに滑っていき、地面を飾っていった。この都会は今や雪という膨大な電飾できらめいているのだ。雪は白く沈んでいくことで、様々なものを赦しているように思えた。外に出なくてもいいし、忙しく過ごさなくてもいい。それだけではなくて、私の心の中に勢いを持っている雑多なもの、抑圧された怒りや憎しみ、傷から発される叫び、他人に向けられたひたむきな愛情、すべてを鎮めてくれるもののようだった。雪は私の心の内部にも降っていたのだ。

私は教師の職を得、安定した日々を送っていた。青春はいつの間にか終
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