エーテル 4/
草野春心
埠頭には、柔らかな潮風の敷布が行儀よく掛けられて
その何処かにはカモメたちの鳴き声が隠れている
物欲しげで それでいてひどく退屈そうな
女たちのことがふいに彼の気にかかる
だが誤って口にされた言葉のように
彼は そこに うち捨てられたままだ
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