首の傷/クナリ
限りの見えた 二人のそばに
新たな選択は見えていた
矜持よりも
恐怖に突き動かされた別れ
だからあんなにきれいな終わり方でも
後悔ばかりが湧き上がる
一人きり残されて
嘆いてばかりで
悲しい願いを空へかけても
瞬く星も見えず泣きじゃくれば
その手を重ねる誰かがいたなら
出会ったことで あきらめたもの
捨てたものほどいとおしい
未練よりも
自己憐憫が飾る記憶
自分がこんなに 自分のことを
可哀想がる日が来るなどと
食いしばりすぎて
磨り減った歯でも
蝋のような首に傷を残せる
しぶいた本音にまみれ泣き叫べば
ようやく本当の望みも見え
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