トルコ旅行と僕の闇/ガンジー
僕はトルコ旅行という幻想を見た。
古いジャーミィーの横にあるカフェでカウンターに座りトルコ人のおじさんと話す。
店内は薄明るいが、外の空は薄暗く、空気は垂れ込んでいる。
僕はコミュニケーションを必死に取るのだけれど、難しい話をするのだけれど、
永遠に続くループに迷いこんでしまったのだ。
僕は独りでトルコの古い文化、風習を知らない異邦人。
その横では火葬場と死が横たわっている。
夕暮れのイスタンブール、深夜バスの停まるジャーミィーの近くで、
トルコの貧しさを見ながら僕はバックパックを背負い重さ、孤独に
苦しんでいる。
こんなところまで何をしに来たのだと、何のために来たんだと。
コミュニケーションの不完全さを頭いっぱい抱えながら、
小汚く薄汚れた僕は地下世界に落っこちて路頭に迷っていた。
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