エーテル/草野春心
 


  けたたましい光に 四方から刺され
  花柄の水風船は 少女の手のひらで割れた
  寒々しい水滴の火花はそのまま 少女の記憶の形となる
  よく熟した七月の片田舎は 躾のいい室内犬に瓜ふたつだ
  そして場違いなものはどこにも用意がない
  本当はそれが必要なものであれ



戻る   Point(0)