カッパドキア行きの深夜バス/ガンジー
立ち寄る事はないカイセリという街をバスは通りすぎる。
窓から見える暗闇の景色は僕に観光地カッパドキアへの期待と、僕の胸はなぜ痛くなるのだろう、という今までの自分の闇、漆黒のトルコの平原の闇を僕に感じさせる。
何故こうなってしまうのだろう、でも僕は胸に蓋をして遠くを眺めている。
バスの室内ライトはそんな僕たちを何ごともなく照らし、僕は次の街、カッパドキアはどんなところだろうと胸の中に閉じ込めていた気持ちを暗闇の中を静かに走るバスの、窓の外に向ける。
明るいところへ僕は生きたい。
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