手と詩人の関係/yamadahifumi
ピアニストは
彼の手に憑かれて、自分を見失う
彼らの感情は彼らの手に宿り、そして
「音」として世界に放出される
詩人もまた同じ事だ
詩人は自分の手が勝手に動くのを感じる
彼はもはや、感じようとする事を書くのではない
凡百の詩人はみな、感じなければならないと思う事を書くのだと
昔のとある天才詩人は言った
僕らの手が僕らを越えて
ペンが世界の奥へと進む時
その時、僕らの分析的な脳髄とは一体、何か
・・・手が全てを知っているなら
頭はそれに追いつくためにあるのだ
バットを降り続けた一人のバッターが
遂に自分の意識せぬホームランを生むように
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