サイバー・ラフォーレ【電脳の森】/夏美かをる
っと乗せ
起こさぬよう、
傷つけぬよう、
慎重に葉の上に戻していく
赤文字のメッセージと共に
今度は私の番
宙に向かって手を伸ばし
私の球を『送信』してみれば―
間もなく私の葉っぱにも届けられる
赤い文字
森羅の狭間に潜んでいる
『イカノカタ』という名の精霊達のぬくもりに
すっかり暖められた私の心は
ふわふわと浮かんでいく
東の天空に貼り付いている×印の赤月を抜け、
ベッドの上にポトリと落ちた私は
そのまま胎児のように丸くなって眠る
いつのまにか見えないくらい透き通って
おとなしくこの胸に収まっている私の孤独を
しっかりと抱き締めながら
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