サイバー・ラフォーレ【電脳の森】/夏美かをる
 
その人に投げかけた孤独が
勢いよく跳ね返されてきて
私の胸に鮮やかな痣がプリントアウトされた夜

傷だらけの そのくすんだ球を
手毬のようにつきながら
迷い込んでいくサイバー・ラフォーレ

クリック、クリック
弾む私の球が緑葉を反す度に放たれる
この人の角ばった孤独…
あの人の棘だらけの孤独…

それらを順に掬い取り
稚児を抱く仕草で
私の痣に押し当ててみる

冷え切った心とは裏腹に
狂おしく放熱し続ける私の乳房に護られて
稚児はそっと目を閉じる

やがて寝息が整うにつれ、
少しずつ まあるくなっていく
脆くいたいけな魂を 
私は両のたなうらにそっと
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