アイフォンを手にしながら/番田 
 

くたびれた体で
僕はどこにいくことができるのだろうと思う 夕暮れ
僕のアイフォンの中から
今日も聞こえる音楽は家入レオだった


もうこんな歌 すでに
聴く歳ではないのだが 聴いていたのは なぜだろう
そして 電車に座れば 隣に座る人は よくわからないし
すでに存在しなかった


そして部屋の中には
カートコバーンの大きなポスターが張られている
しがないサラリーマンに
それはあまり似合わないのかもしれないと思う


その昔失業中に立ち寄ったことがある記憶のある
新日本橋のちらしずしのお店に
ランチを食べに行く そんなことは 今の僕には
不可能な話で

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