水時計/
クナリ
一つ
でももう
こぼれ落ちるばかりの
水がめが枯れるまで
こぼれ落ちるばかりの
雫の一つ一つ
日常の振りができる程度の悲劇が
すべて流れ落ちてしまえば
床の上には
迷惑でしかない水溜り
テーブルの上には
ただの壊れ物が残るだけ
ああ そうだったね
ああ そうだった
どうしてくれる 無機物
流れる流れる
こぼれるこぼれる
落ちる落ちる
まるで砂時計のようだけど
まったく違う
もう元には戻せない
いちかばちかでひっくり返したら
すべて 水の泡。
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