ごめん(京都)/英水
 
あんとき、
なんも考えること、できなくって
三条橋の、川原んいけば、
なんかあんじゃないのか
って気がしてた

変わろうとしてた、あらゆるものが
いっしょうけんめいに
風は 台風に
鴨川は 海に

お前の手、いしょけんめ
握りしめてた
俺、「ごめん」って言ってたよな
変わるなって、言いたかったのかな
お前が離れていって
変わってくことが怖くって
それ怖がってる
だから、「ごめん」って

お前、すがすがしい、顔してたよ
髪もばっさり切って、涼しそうだったよ

頭はぼろぼろで、ねころんだ背中は痛かったけど、
川面ではじけ飛ぶ街の灯
お前の手のあったかさ
ビール、ぬるくなって。  見てた

台風来た京都、
ゴミ箱とか すっころがってて  かっこよかったから
そんなのお前と見れて、
うれしかったのな  たぶん

桜前線上陸したら、また、京都いかねぇ?

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