淡々譚/オオカミ
わたし、どうしてこんなに生まれたいんだろう？
死にたいのかな？
それとも、間違えて生まれてきちゃったのかな？
そんな事考えながら、じゃがいもを切っていたらさ
娘の ふくふくしたほっぺと 細くなった瞳が
こちらをにこにこと見ていて
わたしは、ふっ と
笑ってしまった
おかしいでしょ
こんなにしあわせなのに
こんな事考えるの
公園にお散歩にいくと
とっても
生きている感じがして
とっても
死が心にはいってくる
マシュマロいりのココアは
特別な日に飲む
月に一度、親子で映画にいく
ふたりともアイカツカードにむちゅう
眠る時は手をつないで
おやすみのキスをする
こんなにこわい事って、ないよ
生きていることが
夢みたいにまぶしい
生まれ変わるなら
また、死に近いものがいい
何度もここで
見届けたい
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