蝶の羽/クナリ
■蝶の羽■
蝶の羽みたいですね
音も立てずに、そばにいてくれて、
触れなければ 美しいだけの
触れたなら 砕けてしまう。
■おちこみ■
君が落ち込むのを見ても僕は落ち込まないけど、
落ち込む君を見ても落ち込まない僕を見て、
君が傷つくのを見ると僕は落ち込む
僕なんかに左右される君を見て。
■大丈夫■
大丈夫だと思った時ほど
大丈夫ではなかった
大切だと思った人ほど
大切になんてできなかった
自分に近くなればなるほど、
どんなにいとおしいものでも、
腕からこぼれ落ちていく。
■だから一人■
手のひらに
乗らないほど大きなものなど愛せない
指の隙間から
すり抜けるほど小さなもののことなど
記憶していられない。
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