点子が、行く。/るるりら
瀬戸内に寂しく静かな尊い教えがあるのだ。
その教えは、誰もが自分が可愛いが、
それで良いのかと説くのだそうです。
汽車は 尼様の方角に向けて走るために開通
したのでございます。
わたくしには チャームポイントがあるのだと
先生はいつもおっしゃっているから
御坊様だろうが、汽車だろうが ロバだろうが
どうでも良いことなのでございます。
チャームな点が、もしかして その女の御坊様にあって
私にないので わたしを捨てるというなら
わたくしは 野良となるだけのことなのです。
そして 時代を経て、わたくし野良となりました
が、
わたくしの名は やはり点子なのでございます。わたくしがわたくしの名を
心で唱えるたびに わたくしはチャームポイントのかたまりなのでございます。
戻る 編 削 Point(17)