リザ/マーブル
 
していたけれど
香水をいれるよりはましだと思っているのを
自分自身で知っている


急にかなしくなって
リザはコートを羽織って街をほっつき歩いた
夜に飛ぶ飛行機の音を聞くと
リザはなぜかうれしくなった




あいしているから あいしているは 言えないというの


あからさまに踊ってみせる ハートには矢が刺さっていて いつまでも抜けない


あいしているから あいしているは 言わないというの
そういった途端




リザの朱い唇が震えて




ガラスの森ができた














 


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