希望の血溜/創輝
手のひらを凝視してみるとそこには鮮血が小さな溜まりをつくっていた
僕はありったけの力を込めてその血溜まりを床に叩きつけ
跳ね返ってきた血が頬に飛び散って涙のようになるのを許した
物言わぬ君は 笑っているのだろうか
何が正しかったのかなどぼくらは分からないのに
正しいものだけを求めて 僕は走っていた
血だまりに蓮の花が咲いた
いつからか僕がつくっていた血溜まりは泉のように大きくなっていて
そこには綺麗な花が咲いた
すれ違ってきた人は 何をかなえたのだろうか
夢がかなうものだなどぼくらは信じないのに
夢の足跡だけを見つめて 僕は走っていた
走った先に 君はいなか
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