「戦争と笑顔」/宇野康平
 
ふと思い出して私は、引き出しから昔書いた日記を取り出してパラパラ
とめくっていました。すると、付箋がしてあるページがあり、そこには
こんなことが書いてありました。

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町の掲示板に、「知らない顔に辞書を引いて待ち、先生は焦り落ち子を
指指す」と書いてあります。

気づくと、川沿いの高速道路は詰まって中心が壊死を起こしていて、テ
レビの渋滞情報を伝えるアナウンサーは白目を剥き、泡を吹いて死んで
いました。

子供が新聞を読んで、戦争が始まるね、と戦争の生き残りの祖父に言い
二人して泣いたような物語があります
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