希望について/佐々宝砂
海の底に潜む深海魚が
巨大な目で
わずかな光をとらえるように
目をこらしていましょう
そうすれば
この暗闇に
光を見いだせるはず
貴方の隣にいると
いつも泡のように
綺麗な言葉が私の心に生まれ
それはみんな泡のように
はかなく消えてしまって
ふと気がつけば
つまらない二人が
つまらない会話を交わしていて
でも世界にはまだ希望があります
貴方に見えないとしても
貴方がいるのはきっと
あおぐらい海の底で
貴方の目はまだ闇に慣れていないだけ
夏になったら
ゆかたを着て
ひとり
海辺に佇んでみるつもりです
貴方はもういちど
私を見つけてくれるでしょうか
Pakiene名義で発表
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