ある日記/番田
メシを食べると日差しの降り注ぐガラスの窓辺で太陽の光を浴びた。まわりを彼らの子供が走り回っている。今日は太陽の日差しを浴びたが明日もここでそれを浴びることだろう。そしてこの街をやがて僕は去ることだろう。残ることができるのはごくわずかな人間だけなのだ。そしてこの地に骨を埋めることだろう。僕は川に死体を流すことになるのかも知れないな。籠の昆虫みたいな悲しい死がそこで思い浮かんだ。ポケットのお金は残りわずか。工事現場で働いていた定年間近のおじいさんの研ぎ澄まされたような横顔が思いうかんだ。
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