車窓から見える赤い風船は、まるで祝福のしるしみたいに/あおば
余裕があったのに今日からは真っ直ぐに帰宅しなければならなくなりました
羽根の生えた天の邪鬼たちが
天女に化けて飛んで行くのが見える午後になると
招き猫の欠伸を合図に
20パーセント引きのシールを貼る
ワンコインショップの隣のスーパーでは
黄金色のご神木が夕日に輝いている
いつまでもあると思うなよの声が聞こえるから
襟を正して帰らなくてはならないと反省するが
来年の干支は午だと知ると
我が世の春を覚えるのだろうか
今は晩秋
早くも冬用タイヤに履き替えた車たちには覚悟が出来て
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