海岸の夕景/
白雨
海の中へ鳥たちが沈んでゆく
沈黙の むらさきいろのうみ
いくつもの 幾万匹の 星
灰色のほし
生きている
ただ生きているだけのあわれなほし
機械のようにからからの眼
凛々しくも ペーソスな眼
捨てられた剣のようにむなしい
かぎ爪型のくちばし
それが幾万個も 幾万光年も
はてない宇宙から 海へ
しずかに焦燥する紫の狂気のなかへ
吸い込まれていく
ゆうぐれ。
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