距離感いろいろ 5篇/クナリ
信満々で笑えなくなる
萎縮する私のしぐさに気づき
それを真っ先に気遣ってくれるのもあなたで
「罪悪感の共有でつながろうとは思わない。
何かあったのかもしれないけれど、言いづらいことなら言わなくてもいい」
そう言ってくれるのはとてもありがたいのだけど
いやもうごめん
ぜんぜん大層なことじゃないんだよ
ただの足音の
聞き違いの話なんですよ
一人で苦笑してから
そんなことを白状して
ようやく
二人で笑う。
<後ろ姿>
つまるところ
あなたの後ろ姿を見ているときが
僕が一番僕らしい状態で
あなたを見つめられるときなのでしょう
見つめ合えば
もう僕はすっか
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