距離感いろいろ 5篇/クナリ
<ふたりのテーブル>
なんとなく用もないのに
無性に話しかけたくなって
でも何も用がないのに話しかけたら
あきれられるんじゃないだろうかと怖くなって
コーヒーが飲みたいと言ったら
いつも
面倒がりもせずに淹れてくれて
それは本当にありがたいのだけど
この人は本当にコーヒーが好きなんだな
などと思われているんではないかと
不安にもなる。
<足音>
部屋の外から響く
あなたの靴音を
聞き間違えて見知らぬ人だったときの
気恥ずかしさと
申し訳なさときたら
その足音で
あなたの気分さえも知ることができるという確信が
ゆらぐゆらぐ
あなたの前で
自信満
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