大正琴の媼(五)/
信天翁
造園の見識もなく粗雑に植え込んだ
僅か二?余の雑多な庭木たちが
悄然とその揺れ方でもって
今日も北風のご機嫌を知らせて呉れます
「寒いが我慢してなら外出できますよ」とか
「冷たくて散歩はちょっとしんどいですよ」とか
遠くから風の子の喚声がきこえます
そうでした
あたいにもあの年頃があったのよねぇ
未来にむけてのゆめをわすれ
ひたすら気・血・水が
身にめぐるままで
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